腹の鳴る音
私が朝食を摂らなくなって2年になります。そのため、毎朝10時頃になると必ず腹がグーと鳴り、この音を聞くと「今日も健康だ」と安心できます。健診受診者の方も食べていませんので診察中に腹を鳴らす人が少なくありません。それに共鳴するように私の腹も呼応しますのでちょっと賑やかになります。「すみません」と恐縮する受診者さんに「いえいえ、元気な証拠ですから」とお答えします。そもそも、この音がちゃんと出ているかどうかを聴診器で聞くのが診察ですから。医者である私はそんなもの当たり前だと思っていますが、会議中やエレベーターなどの静かな場で大きな音がして皆に笑われたことをきっかけに、極度の恐怖症に悩む人もいるようです。どうも躾の段階で、腹鳴は「はしたないこと」「貧乏人みたいでみっともないこと」という、無意味な常識が浸透しすぎているように思います。
先日、「腹が減っているわけでもないのに、急に腹がグーグーなるのですが、何か悪いのでしょうか?」と質問されました。腹鳴は、元気で動きの良い腸管に空気が入って混ざり合った状態で出てくる、いわば空気の通過音です。空気を呑まなければ出にくいですし、水を呑んだら出やすいのも事実です。沢山の溜息をつかなくても、それなりにしゃべっていれば空気はすぐに入ってしまいます。http://www.topics.or.jp/index.html?m1=5&m2=25&bid=11660741364016&cid=1166170786825&vm=1
大部分は、本人が気にしているほど大したものではありませんが、この音に悩まされ、うつ病になっていくケースもありますし、たしかに中にはほったらかしておけない病気(過敏性大腸症候群など)のこともあります。これでかなり精神的に参っている人たちのために、こんな会(腹鳴りで悩む友の会 http://www.haranari.com/what.html)も存在することを初めて知りました。
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