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褒め上手、聞き上手

うちの病院には、とにかく誰にでも褒め殺しできる部長先生がいます。いつ見ても凄いなあ、と感心します。褒め殺しするためには、まず相手のいうことをしっかり聞き取り、そしてその中に何か良い事を瞬時に見つけ出す能力が必要です。さらに、悪いことがあっても良いことをとにかく強調してあげる技術が要ります。それを自然にできるのがその先生の天分なのでしょう。

保健指導の基本が、この「聞き上手」になることと「褒め上手」になることです。わかっているのですけど、それがとてもむずかしいんです。私の一番苦手とするところです。

同じことを云うとしても、「ここがうまくいってませんね。でも、これができているのは素晴らしいですね。」と云うのと、「これは良くできていますね。でも、ここができていませんよ。」というのでは、全く違うのだと教わりました。

「あんたの言い方は不愉快だ!」と、昨年のある日に受診者さんに云われたことがあります。「あんたに云われんでもそんなことはわかってる。もういい!」とも云われました。ショックでした。それからは、それまで以上に私も言葉を選ぶようになりました。「悪い」を「良くない」と云い、「~すべき」は「検討した方が良い」と云うことにしました。でも、まだまだそれを心から云えているとはいえません。そんな言葉では、抱えている危険の大きさがわからないだろう、と思ってしまうからです。

なかなか悟れません。これからの私の大きな課題です。まだまだ修行の毎日です。

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