打診は3回?
「打診は、なぜ『トントントンッ』『トントントンッ』と3回ずつに分けるのか知っていますか?」
学生時代の診断学の講義で、高月清教授が皆に質問しました。高月先生は、古くは「高月病」、そして「成人T細胞性白血病」を発見したことで世界的に有名な先生です。
医学部では、病気の講義の他、医者として行うべきスキルの習得をするための演習をします。聴診や打診は内科診療の基本です。私にはほとんど無理ですが、昔は聴診だけで心臓弁膜症の種類と程度を察したものです(今となっては間違いも多かったんだとは思いますが)。でも、最近は、お腹を打診すると「それ、十何年ぶりかでしてもらいました」と云う受診者さんが多くなりました。エコーや採血が簡単にできるようになり、消化器内科を専門とする医者ですら、外来で聴打診をしない先生が増えたと聞きます。打診は、皮膚の向こう側が中空になっているか充実したものが詰まっているかで音が変わることを利用して、肝臓の位置や大きさ、心臓の大きさ、腸の状態などを察する方法です。もちろん、医者は全員、スイカを叩くようなきれいな音を出すことくらいは簡単にできます。
さて、診察で打診するときに医者が叩くのが、『トントントンッ』『トントントンッ』と3回ずつなのは、なぜでしょうか?
高月先生曰く、「調子(リズム)が良いからです!」
固定概念なんてそんなもんだということを、このときに教わりました。現在、私は普通に1回とか2回とか4回とか叩いています。ちょっと痛快です。
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