健康食は偏食
一時期よりやや下火になったとはいえ、まだまだ巷には健康情報が溢れています。メタボと特定健診はそんなブームの再燃に拍車をかけました。各種サプリメント、その他の健康食品、特保食品だけでなく、黒酢やゴーヤ茶、ごま、にんにくなど、数え上げるとキリがありません。あるいは、たとえばβカロチンやポリフェノール、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)にどんな健康効果がありどんな食材に多く含まれているかなども、一般の人の方がかえって詳しかったりします。私も少なからずサプリメントを飲むようになり、他の医療関係者より少しはこういうものの意義や注意点には詳しい方だと自負していますが、なかなか完全には理解し尽くせないのが実情です。
ただ、はっきりしていることがあります。EPAが動脈硬化防止に良いからといって毎日青魚だけを食うことはできません。ポリフェノールに抗酸化作用があるからといって毎日芋ばかり食っているわけにも、イソフラボンががんに効くといっても毎食豆だけを食っておくわけにはいきません。それがたとえ身体に良いものであっても、それだけを大量に取ればただの偏食ですし、あれもこれも「身体に良いもの」ばかりを集めまわっても摂取過剰になるばかりで(どこかのプロ野球チームのように)必ずしも健康になるとは限りません。あるいは、胃がんには有効だけど高血圧になりやすい、とか、お互いが効果をうち消しあって何の効果もなくなったなどということが起きる可能性もあります。
過ぎたるは及ばざるがごとし。せっかくの知識を無駄にせず、楽しい食事の心強い付き添い程度に考えて使ってあげた方が、ずっと効果が高くなるのではないかと思います。
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