ムシの知らせ時
私の知り合いのある内科の先生がうちの人間ドックを受けに来ました。「何となく受けてみようかなと思って」というふざけた受診理由でしたが、約10年ぶりに全大腸内視鏡検査を受けたら、大きな腫瘍がみつかりました。あまり「医学的」ではありませんが、こういうことって良くあると思いませんか?いわゆる「ムシの知らせ時」というやつです。
身体から「何かがおかしい」というシグナルを出した場合、<理性>で論理的に処理しようとする「脳」はそれを「気のせい」で片づけようとし、<感性>で反応する「心臓」はそれに耳を貸して自律神経を促す。これまで脳にしかないと思われていた仕事を実は心臓も受け持っており、心臓は思考し細胞は記憶し、かすかな生命エネルギーという形で体中に伝えている。そういう考え方の本を読んだことがあります。家の書棚の中からやっと見つけだしました。著者は医者であり心理学者でもあるアメリカ人です。
「心臓の暗号」(ポールピアソール著・藤井留美訳、角川書店)http://www.bk1.jp/product/01699674
循環器内科が専門の私ですが、読んで納得できました。いわゆる「科学者」という石頭になっていない私の思考回路に安堵したことを覚えています。
頭(脳)と心(心臓)という二重支配があり、各々に体に指令を出します。脳は理論に裏打ちされた理性で、心臓は体中に配備しておいた自律神経(1の子分)と筋肉(2の子分)の出す情報を感性で聞き出して。ちょうど口うるさい上司(脳)といつも相談相手になってくれる先輩(心臓)がいるようなもので、だから体は心が好きで、つい本音まで伝えてしまうんです。
・・・ちゃんと付いてきていますか?変人扱いされても困るから、あとは興味がある方だけが本を読んでください。
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