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本当は怖い「翌年正常」

健診を受けた結果が返ってきました。「重篤な病気の危険性があるので、早く精密検査を受けてください」という書類と一緒に紹介状が入っていました。「精密検査にはちゃんと行ったと?」という家族の問いに、あなたは、「なあん、どぎゃんもなかけん、行かんちゃ良かろ」と放ったらかしました。1年後、同じ健診を受けたら、今回はその項目に異常はありませんでした。「ほうら。どうもなかったろ!」とほくそ笑むあなた。。。本当は怖い「翌年正常」!

例えば、心電図検査で「陰性T波」という所見があって精密検査の指示が出ます。これは、心筋に必要な酸素の量に対して供給される量が足りない時に起きやすい所見です。この所見から想定されるのは大きく2つ、非貫壁性心筋梗塞/重症冠虚血(虚血性心疾患)か心筋肥大です。前者は突然死を起こすこともあるような重篤な状態で、必ずしも症状を伴うとは限りません。後者は高血圧や肥満、スポーツが原因になる場合もあれば、心筋症という特殊な病気の場合もありますが、徐々に進行して将来心不全の原因になったりします。

さて、この心電図波形が翌年に全く正常になったとしたら、それはどういうことでしょうか?実は、正常に戻った方が危険をはらんでいるのです。心筋肥大は徐々に進みますが一旦出てきたT波が消えることはまずありません。一方、虚血性心疾患は重症発作を起こした時には変化しますが徐々に元に戻ります。ですから、昨年の健診の頃に重症発作を起こしてたまたまた心電図に引っかかった可能性があるのです。たまたま回復しましたが、再発作を起こす危険性が高く、まさしく突然死をいつ起こすかわかりません。

本当に怖いんです。

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