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血圧は何度も測らない!

昔、循環器内科の当直をしていた頃、夜遅くに、ある患者さんから相談の電話がありました。

高血圧のクスリを毎朝1錠内服している。寝る前に血圧を測ったらいつもより10mmHgくらい高かった。最近そんなことはなかったのでとても気になって何度か測ったが、測る度に数値が上がってとうとうとんでもない数値になった。最初はどうもなかったのに何か頭も痛くなったような気がする。寝る前に飲む安定剤も飲んでみたが治まらない。とても心配だから今から救急外来を受診してもいいか?という内容でした。

この方の場合、一番いい方法は、翌朝まで二度と血圧を測らないことです。どうせ測っても上がるばかりです。よく、外来などで血圧がちょっと高かったときに大きな深呼吸をしてから測定のし直しをしたりします。本人の満足のためにしていますが、実はほとんど意味はありません。普通の方の場合、血圧は最初に測った値にしか意味がないと言い切ってもいいでしょう。それ以降の測定の繰り返しは、単なる自律神経への「いたぶり」です。くどいですが、血圧は簡単に変動するものです。「あれ?何で高くなったの?」と思っただけで、あるいは「また高くなったらどうしよう」と思いながら血圧計を眺めるだけで、すぐに上がってしまいます。

結局、この方には心配ないことを説明し、安定剤をもう一度飲んで床に入ることをお薦めしました。気にするなと云っても無理ですが、眠れなくていいから目を閉じて横になっておいてください。一眠りできたらきっと落ち着きます。それでも心配な時は私が診察をしますからいつでも救急外来に来てください、と付け加えました。その後どうだったのかは知りませんが、本人の朝が当直明けの私と同じくらいすっきりしていたことを祈ります。

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