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死の四重奏

あるとき、うちの職場の当時の営業部長が浮かない顔をして帰ってきました。あるタクシー会社の社員に、労災保険二次健診等給付http://www.rousai-ric.or.jp/worker/02/09_02.html該当者が多かったので、直接営業所に書類を持っていったのですが、会社の衛生管理者から「『死の四重奏』という言葉は何とかならないか?」と強い口調で抗議されたと云うのです。医療関係者は『死』と云う言葉を簡単に使うが、一般の人間は『死』と云われるともの凄くショックを受けるものだ。もっと柔らかい言葉を使うべきじゃないか?と。それを聞いた彼は「たしかにそれはそうだな」と納得して帰ってきたそうです。そしてその旨を伝えられたうちの職場の担当者から、「どうしたらいいだろうか」という相談を受けました。

「じゃあ、『死の四重奏』という字を5、6倍くらいに拡大してさらに赤字の太文字に書き換えて送り返せ!って云っておいてください」・・・私は、怒りに声を震わせながらそう答えました。

『死の四重奏』とは、高血圧・高脂血・高血糖・肥満のすべてが揃っていることを云い、それぞれは軽くても4つが揃うと心筋梗塞の発症率が30倍以上に跳ね上がる状態です。これに当てはまる人に早く生活改善をさせるために労災保険がこの制度を作りました。簡単に云えば、今日の運転中に突然心筋梗塞を起こすかもしれない、という意味です。だから、『死』という言葉になんら誇張はありません。特に運転を仕事にしている人たちがこれに当てはまるのは言語道断だと言い切れます。自分が倒れるのは本人の勝手ですが、運転中に巻き添えを食う人が必ずいるわけで、それはきわめて迷惑な話です。

そんなことを知らなかった衛生管理者はやむを得ないとしても、それに納得して帰ってきた営業部長には喝っ!

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