同僚の死
「『Ai』知っていますか」
という記事が新聞に載っていました。「Autopsy Imaging」:死亡時(剖検的)画像診断とでも訳すのでしょうか。病院で亡くなった人や死亡状態で病院に到着した人に対して、死亡原因を究明するために死亡確認後にCT検査やMRI検査を行うものです。先日たまたま小説「チーム・バチスタの栄光」を読んでいて初めて「Ai」という単語を知りましたが、この学会自体はもう4年の歴史があるようです。この検査そのものは、救急医療に携わってきた医療人として20年以上の遠い昔から行ってきましたので、私は世間で想像するほどの驚きはありません。
約10年前、私より1歳年上の同僚が突然亡くなりました。いつもの朝のカンファレンスをしている最中に、その知らせは届きました。朝、自室から起きてこない夫の変わり果てた姿を見つけたのは奥さんだったそうです。お父さんが入院してその看病でもかなり疲れていたとの話を後で聞きました。枕元にニトログリセリン(狭心症の治療薬)のカラがあったとか、ヘビースモーカーだったとかから、心筋梗塞を起こしたのではないかとも推測されましたが、原因はわかりませんでした。彼をあえて自宅から私たちの病院まで運んでもらってCT検査をしたことを覚えています。
その時のCT所見云々より、生前は年齢よりかなり若く見えていた彼の顔が、年齢相応の顔になってしまっていたことの方が強く印象に残っています。彼のひとり息子もそろそろ成人になったのではないでしょうか。
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