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流れ作業に対する謀反

うちの病院に研修にきていたある女医さんが、謀反を起こしました。「わたしがやりたい医療はこんなんじゃない!」と、突然アパートに籠もって出勤しなくなったのです。

わたしたちの病院では、患者さんに出来る限り同じレベルの医療を提供するため、チーム医療を推し進めてきました。たまたま主治医になった医者次第で受ける医療水準が違っていたのでは不公平だという観点から、同じ病気で入院したなら、専門の心エコーチームがエコー検査をし、シンチチームがシンチをし、カテーテルチームがカテーテル検査をします。それぞれに専門の医師が診断を下し、トータルでどう治療すべきかを全員の医者の揃ったカンファレンスで決定していくのです。クリニカルパスの原型ともいえます。

これでは、主治医は何のために居るのか?彼女の悩みはとても良く理解できました。結局彼女は数日後に上司に説得されて出勤するようになりましたが早い時期に出身大学に帰る事になりました。彼女の医者としてのキャリアを考えると、こんな医療のカタチもあるということをきちんと経験しておいても損はなかったんじゃないかとも思いました。

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「現代医療は病気だけを診て、私という患者を診てないんですね。私のなかにおけるがんを診ていて、私という人間を診ていない・・・」(高木仁三郎)
「大腸がんが見つかったときは、大腸の専門家が診てくれ、肝臓の転移が始まったときは、肝臓の専門家も加わって診てくれました。いつでも、それぞれの専門家がよく診てくれました。でもね、丸ごとのぼくを診てくれる人はいないんだなあ。」<鎌田實『あきらめない』:「丸ごとのぼくをみて-現代医療批判」より転載>

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