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CKD

以前、食後高血糖がいかに危険かという話を書きました(あなたは糖尿病です!後編:2008.2.16)。どうもない時からいかに早期に病状の進行をくい止められるかが自分の人生を左右し医療費に関わってくるのだという話を書きました。4月に始まった「メタボ健診」も同様です。

そんな中で、食後高血糖と同じレベルで危惧されているのがCKD、つまり慢性腎臓病です。昨年5月に日本腎臓学会が「CKD診療ガイド」を発表しましたが、一般医療者でもその存在を知らない人は少なくないと思います。

「健診でいつも正常と云われているから腎臓は心配ない」とお考えの皆様、とてもショッキングなデータですが、現在CKDの定義に当てはまる人は全人口の18.7%(1926万人)以上いると云われています。つまり5、6人に1人の割合です。実は、健診で「異常なし」と云われている人の中に初期のCKDの人たちが多く含まれているのです。

CKDは進行すると重症腎不全で透析をしなければならなくなるという問題だけではなく、心臓血管系の病気発症、死亡数、入院数のいずれについても独立して危険因子になるようです。もちろん程度に比例してそれらは増加しますが、自覚症状が出てくるはるか前から、危険だということが予測できる因子だということです。それでは、それに当てはまる人はどうしたらいいのか?結局は高血圧・糖尿病・脂質異常症・肥満のある人はしっかり是正に励み(基準値は普通よりかなり厳しく設定されています)、死にものぐるいで禁煙をし、タンパク質をとりすぎない人生を送るなど、やることは決まっています。

厳しい世の中です。

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