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母のこと

今日はわたしの母の祥月命日です。享年満55歳でした。彼女の誕生日は・・・8月下旬だった気がしますが覚えていません。生きている間は誕生日を祝うのに、どうして亡くなると命日ばかり覚えるのでしょう?わたしがこの世にいることに影響を与えるのは彼女の誕生日であって、亡くなった日ではないはずなのに・・・。

わたしは彼女が大好きでした。両親共働きのために典型的なばあちゃんっ子だったわたしは、農繁期になると親元を離れて田舎に連れて行かれました。ですから家にいるときはいつも母に着いて回りました。彼女は典型的なO型気質で、若干大雑把な性格でしたが、争いを嫌い、決して人の悪口を云わない人でした。小学校の教師をしていました。夕食の後にコタツでテストの採点をしながらすぐに居眠りを始め、ミミズの張ったような線を書き込むのが常でした。わたしはよく生徒たちのテストの採点や成績表(エンマ帳)記入の手伝いをしました。その時に、彼女は、教え子たちのいろいろな長所を嬉しそうに語ってくれました。気になる子どもたちのことも話してくれました。「この子は良い子なのに、ちょっと性格が荒いのよね。どうしたら優しくなるだろうか?」・・・わたしも子どもなのに、まるで大人に話すように、そんな相談をしてくれました。

彼女は若くして胃がんの肝臓転移で亡くなりました。入院中、まだ学生だったわたしは、1~2ヶ月に1度は付き添いの泊まりに行きました。いろいろな話をしました。でも、わたしの人生の相談はできないままでした。彼女がもうしばらく生きていてくれていたら・・・そう思うことはよくあります。彼女があの世から見届けようとしているわたしへの宿題は何なのでしょう?

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