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演劇を始めた理由

昨夜、佐伯で芝居を観てきました。高校教師をしている大学時代の演劇部の先輩が中心になって、1年前に旗揚げした演劇集団の2回目の公演でした。

大学入学の2ヶ月後に、オンボロプレハブの演劇部室にいるとは、わたし自身も思ってもいませんでした。高校時代までのわたしを知る全ての人間が、それを聞いて仰け反って驚きました。演劇部に入った理由は大したことではありません。出身高校の新入生歓迎コンパでしつこくラグビー部に勧誘する先輩を断るために「すみません。わたしは演劇部に入ることに決めたものですから」と口から出任せを云いました。その場に同じ下宿に住むF氏がおり、それを同じ下宿に住む演劇部のI氏に話し、二日酔いのわたしに「演劇部に入るんだって?早速部室に行こう!」と連行されたわけです。そのI氏こそ、昨夜佐伯の舞台に立っていた先輩です。

高校演劇から入部してきた人(わざわざ演劇をするためにうちの大学を受験した人もいます)や唐十郎の赤テントに感動してその足で入部した人にはホントに申し訳ないことです。でも、人生のつながりなんて、こんないい加減なご縁から始まるものかもしれません。それでも、あのとき演劇部を選んだのはわたしにはとても意味があったように思います。舞台に立ってスポットライトを浴びる快感は一度知ったら忘れられませんが、現在、あちこちで講演するときに生かされています。役者として他人になりきる習慣は、自分ならどうするか、という違う眼でものをみるのに役立ちますし、相手の心と空気を読む習慣は、話をしていて相手の考え方を推察するのに役立ちます。

こうやって仲間の芝居を観ると、いまだに「舞台に立ちたい!」心が頭を擡げてきて、初恋の時のような切なさとドキドキ感を感じてしまいます。

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