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マスク小僧たち

最近、病院やクリニックに行くと、手術室でもなければ風邪が流行っているわけでもないのに、妙に大きなマスクで顔を覆ったスタッフの姿をよく見かけます。

うちの病院も例外ではなく、むしろ救急病院のせいか、医者や看護師だけでなく検査技師、放射線技師、臨床工学士、あるいは薬剤師や受付の事務員の皆さんまで、しっかりとマスクしています。感染予防の考え方がしっかり普及しているためだと思います。

ただ、マスクしている皆さんは、自分がマスクしていることをもっときちんと意識してほしいと思います。先日、救急外来の待合椅子のところで、若い看護師さんがおじいさんの横にひざまづいて熱心にクスリの説明をしているのを見かけました。その横を通り過ぎるときに盗み聞きしましたが、きっとあの患者さんは、彼女が何を云っているのかさっぱり聞き取れないだろうな、と思いました。口元をマスクで覆っていると、音が籠もって聞き取りにくい。それ以上に、人は相手の口元の動きをみながら言葉を聞き取るものです。その口元がマスクで見えません。口元をマスクで隠すと、相手の表情も見えません。相手の心のうちも見えません。とにかく、「会話をする」「意志の疎通を図る」という点で、マスクはもの凄くハンディを負っているのですから、普通にしゃべっていたのではまず絶対相手には理解してもらえない、と肝に銘じておかないといけないなと感じました。

私も、咳が出るときにはやむを得ずマスクしますが、意識的に大声でしゃべっているにも関わらず、相手がどうも十分な理解をしてない顔をするため、結局マスクを外して話すことになります。だから、一旦風邪を引くとなかなか治りません。

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