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はだかの王様

「どんな苦情が出てるんですか?少なくともわたしたちは外来で不満を抱かせるようなことはしていないし、わたしは今まで苦情など一度も受けたことがない自信があります。」

健診から精密検査のために外来を紹介した場合に何かと苦情が出ます。健診では「お客さま」ですが外来では普通の患者さんですから、そのギャップに文句が出る場合もあれば、外来の医師や看護スタッフの態度が悪いといって怒り出すこともあります。そのため、定期的に各科の先生と情報交換会議を行います。外来の先生方とそんな話をしていたとき、M先生が気色ばんでそう発言しました。

その半年ほど前、うちの妻が「あなたの病院にM先生という人がいる?」と聞いたことがあります。「最近来た○○科の先生でしょ。なんで?」と聞き返すと、「友人がこないだ受診したんだけど、その先生の言い方がいい加減な感じでとても不安になったんだって。だからどんな人かなと思って。」と教えてくれました。その当事者の先生とこのとき初めて話しながら、「この人か」と思いました。

M先生がどうこうではなく(彼の名誉のために云えば、とても人気のある先生だそうです)、私たちは患者さんの本当の気持ちをほとんど知りません。アンケートやクレームを書いてくれる一部の方はありがたいですが、普通は伝えてはくれません。受付で大声で怒鳴っていたのに診察室に入った途端何もなかったようにニコニコしている患者さんもたくさんいます。結局、外来の苦情は身内を通して間接的に聞くことがとても多く、現場はほとんど知らないでしょう。健診に対するクレームも職員家族健診をしたときが一番多くなります。本音を間接的に伝えてもらえるからです。

苦情が正式に聞こえてこないからといって、奢っていてはしょうがありません。「はだかの王様」にならないように、常に謙虚でいたいと思います。

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