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ニトロの舐め方

縁のない人にはまったく縁がない話ですが、ニトログリセリンという薬があります。これが爆弾ではなくて狭心症の発作止めだということくらいは知っているでしょう。

心臓を栄養する冠動脈という血管が狭くなって、一時的に心筋に十分な血液が廻らなくなると胸を締め付けるような症状を起こします。これを狭心症と云います。この時にニトログリセリンを舐めると冠血流を改善させて発作を止めます。舌の下に挟んで溶かす(これを「舌下」といいます)と、舌の下にある静脈を通して直接心臓に薬が到達するので、内服するよりはるかに早く効果を出すことができます。

「胸が締め付けられる」症状で病院に行った人の多くがニトロを処方されます。「なにかあったらそれを舐めなさい」といわれているはずです。でも、実際に使ってみる人は少ないようです。一度も使ってない人は「使うほどひどくなかった」と云います。これは大きな間違いです。ニトロは、我慢しても良くならないときに最後の手段として使う薬ではありません。ニトロは軽い時しか効きません。ひどくなりすぎて心筋梗塞になってしまったらもうダメです。「あれ?何か変」と思ったらすぐに使うのが正式な使い方です。脳血流を増やすので頭が痛くなる人が多いと思います(わたしもその一人です)。発作時に使用すると2,3分ですっかり改善します。その場合は異常ですので病院に再受診してください。何となく効いたような効いてないような・・・は、効いていません。狭心症とはまったく関係ないか、あるいは逆に心筋梗塞になりそうな重篤な状態になっているかのどちらかです。

ちなみにテープ剤を発作時に貼る人がいますが、経皮吸収では即効性が期待できないのであまりお勧めしません。

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