天空の視線
妻は、以前よく予知夢を見ていました。東京で軽いパニック障害を起していた頃のことです。夢の中で、彼女はステンドグラスを作っていました。周りに何人か居ますからどこかのステンドグラス教室のようです。ビルのような鉄筋の張りのある一室でした。自分が楽しそうに笑いながら周りに溶け込んでいる様子だったので、夢ではあったけどちょっと安心したそうです。
約半年後、彼女は自分で調べて、新大久保の駅の近くにあるステンドグラス教室に行くようになりました。電車でそこに通うようになって彼女のパニック障害は徐々に良くなっていきました。夢のことなどすっかり忘れていたのですが、ある日、「あ、この風景見たことがある」と思いました。そしてそのとき、何となく天井の一角が気になってしょうがなかったそうです。何か妙な視線を感じる・・・意を決してその一角に視線を上げたとき、彼女は全てを悟りました。半年前に見たのはちょうどあの天井から見た俯瞰図のような光景だったのです。いつもの予知夢は自分の目で見た風景だったのに、あのときの夢だけは自分の姿が見えていたのです。そうです。彼女が下から眺めた先にあった視線は、まさしく半年前の夢の中で自分の目から発したものだったのです。
わたしはこの話がとても好きです。「時空を越える」ことが普通にありえることを物語っているからです。過去の自分に会うなどという空想小説のような話が、現実にあっても全然おかしくない!わたしは、この話のおかげで、普通に受け入れることができています。
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コメント
うろ覚えですが、小松左京の「時の顔」を思い出しました。
(随分前に読んだので、今度、本屋か図書館で確認してみようかなぁ)
投稿: kago. | 2008年7月27日 (日) 12時10分
kago.さん
コメントありがとうございました。
思い立ったときが読み直しのタイミング。是非、この機会に本屋で見つけて読み直してみてください。
タイムトラベルの話はたくさんありますよね。これを空想小説の世界の話だと世間が思っている中、わたしは意識・概念の世界では普通にあっていることだと信じています。科学的とか非科学的とか、そういうくだらない議論はどうでも良い話ですよね。時空間って自分がまだ越えられた実感が一度もない世界(本当は経験したことがあるのかもしれないのに)なので、とても憧れています。
投稿: ジャイ0425 | 2008年7月27日 (日) 19時30分