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感染症狂想曲・続編

先日、ぼやきのように書いた真空採血管ホルダーの使い回し事件(http://satoritorinita.cocolog-nifty.com/satoritorinita/2008/06/post_08d3.html)について、医療用メルマガでも大きく取り上げられました。

もともとは、島根のクリニックで糖尿病用の穿刺器具の針先を使い回しした事件が発端です。針は取り替えても器具は複数の人に使っても大丈夫だと思っていたとか、針が自動で入れ替わると勘違いしてそのまま複数使ったとか、そういう勘違いが世間にたくさん起きていたことが分かったわけです。これはたしかに他人の血液が付着している危険性があり、本来一人の人が自分で血糖検査をするために販売されていた器具と医療現場で使う器具との意識の混同があったことは、改善すべき問題だと思います。

ところが、この問題がマスコミにでると、同じように世間で使い回しされている「真空採血管ホルダー」をやり玉にあげた報道機関が出てきて厄介なことになりました。B型肝炎ウイルスは当然アルコール消毒したくらいでは死滅しませんから、可能性があるなら全部処分しなさいというお達しがあるのに無視して使っているというのです。医療関係者なら、この穿刺器具の使い回しと採血管ホルダーの使い回しが全く次元の違うものだということくらい誰でも分かります。ところがほとんどその重要性を理解できていない部外者の「同じ犯罪者扱い」報道で、一気にバカげた騒動になったのです。

じゃあ、なぜ駆血帯は全員代えなくていいの?採血台はなぜいいの?シーツは代えなくていいの?医者の聴診器は患者一人にひとつにしないといけないんじゃないの?言い出したらキリがないこの問題を、中途半端な行政処分で済ませることになるのでしょうが・・・(無知の)マスコミって本当に怖いです!

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コメント

昨日行きつけの?病院の定期診察を受けました。この病院でも、以前は使い回ししていた真空採血管ホルダーを今は完全に使い捨てしていました。聞いたところ、大量に入手・確保するのは大変だそうです(有名な甲状腺専門病院なので優先的に供給してくれるのかも?)
いずれにしても、資源のないわが国で、こんな無駄が許されるのでしょうか?(原油の価格も上がっているのに)
医療従事者がもっと毅然として、患者さんに説明してもいいのではないでしょうか?
ホルダーを患者さんに渡し、次回持参してもらったらといったら、採血技師は笑っていました。

投稿: エコー(横浜) | 2008年7月 2日 (水) 12時07分

エコー(横浜)さん

コメントをありがとうございました。
今日の病院の衛生委員会でも、供給が足りない話が出て、患者さんが「マイ・ホルダー」を持って歩けばいいんじゃないか?という意見がでました。外来では衛生管理上全員にというのは難しいかもしれませんが、入院患者さんは入院時に自分で購入してベッドサイドに持っておけるんじゃ?と。悪くはないですよね。

医師会が厚労省に正式に意見書を出す、という方向の様です。でも、「厚労省は絶対首を縦に振らないだろう」との見通しです。お役人はお役人です。よほど世論がうるさくなるか、changeのキムタクみたいなのが出てこない限り、変えないでしょう。桝添さんは意味分かってないし。。。

投稿: ジャイ | 2008年7月 2日 (水) 17時53分

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