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介護サービス(前編)

母方の伯父が突然認知症になりました。日頃から矍鑠(かくしゃく)としていた彼は自分のことは全て自分でしないと気が済まない人でした。それが今年に入ってから急に変わってしまったようです。多くの持病をもつ彼をどの病院に連れて行こうか、行きつけの病院を無視して良いのか、遠くでは連れて行けないし・・・何冊もの病院のパンフレットを机に並べながら年老いた伯母(伯父の奥さん)は途方に暮れました。そんなとき、たまたま紹介された介護ヘルパーの方がとても切れ者でした。看護師の資格も持つという彼女は、病院受診の段取りや助言にとどまらず、公共の介護サービスの手続きを手伝い、自ら病院に出向いて病状を説明し、リハビリの仕方を習ってきては伯母に教え、それはとてつもなく精力的な介助を(伯父にだけでなく伯母に対しても)してくれたそうです。ほぼ同じ頃、彼らの娘が大腸の進行がんで大手術を受け、付き添いが必要になりました。出会いは宿命だとはいえ、伯母が彼女に出会わなかったら、伯母は何もできずに立ちすくんでいたかもしれません。

時々、「病気を抱えた妻の介護疲れて無理心中」とかいう痛ましいニュースを耳にします。「公共の援助機関やサービスがたくさんあるのに、自分たちだけで背負い込まずにどうして相談してくれなかったのだろう」と、近所の人や役場の担当者は必ずそうコメントします。でも、伯母と話しながら分かったことがあります。どんな素晴らしい制度やサービスがあっても、まず最初の第一歩、一体何をどうしたらよいか経験のない素人にはさっぱりわかりません。電話相談でもインターネットでも気軽に・・・と云われますが、それは慣れた人の発想です。経験した人には簡単でも、予想だにしなかった初めての出来事に簡単に対処できるものではありません。伯母のようにたまたまた出会った人が動いてくれなければ、彼女もまた何もできなかったでしょう。

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