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こっち側、向こう側、境界線

「家守綺譚」で梨木香歩にはまり、一緒にたくさん買った本の中から「ぐるりのこと」を読みましたが、残念ながら、この随筆はほとんどわたしの頭に留まってくれませんでした。字面をしっかり追っているのに全く頭に入らずに素通りすることってありますね。

この「ぐるりのこと」を読んでいると、「向こう側とこちら側とそのどちらでもない境界線」の概念が随所に顔を出し、いろいろと思いを巡らせました。断崖絶壁や生死の境のように、ONとOFF、有りか無しかの二者択一が本当に必要なことは現実には思っているほど多くないように思いますが、「それをスッパリ割り切ってどちらかに決められる人間が素晴らしいのだ」という風潮はわたしはとても苦手です。白でも黒でもない灰色、この曖昧なものの存在を無理してどっちかの色に染め直させる必要などあるのでしょうか?真実はひとつなのだろうけれど、灰色というのも立派な真実であり、灰色は白か黒になる途中の一時的な色ではなくてそのままずっと灰色であって何か問題があるのでしょうか?

また次の瞬間にはこんなことを考えました。こっち(自分のもの)とあっち(他人のもの)の区別をしたとき、あっちのことは何も分かりません。死後の世界がどんななのか、断崖を飛び降りたらどうなるのか、相手の心はどう動いたのか、壁の向こうでは何をしているのか、こっちとあっちの境目はすっぱり分かれるのに、その「境目」には何があるのだろう?一度「あっち」を経験してしまうと、「あっち」は「こっち」になり、そうすると分かれ目が分からなくなってきて・・・。

こんな脈絡のない内容がどんどん頭に流れ込んできました。こんなことで頭が支配されているのだから、本の内容が何も頭に入っていかないのも無理はないか。

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