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深呼吸のこと

うちの施設での診察が「標準化」されることになりました。独自に作成したマニュアル通りの方法以外はしてはならない(過剰診察、手抜き診察禁止、医師によるサービスの差は作らせない)ことに医局会で決まりました。家のローンを残しているわたしは路頭に迷うわけにいかないので、もちろんそれに従って粛々と診察をしています。

対座して胸に聴診器を当てると、日本人は自動的に深呼吸を始める人が多いという話を以前書きました(2008.2.1)。マニュアルに従って肺の聴診をします。「息を大きく吸ってくださいぃ~、しっかりはいてぇ~」と繰り返しますが、まあ、呼吸の仕方は千差万別です。人の云うことなど無視して自分のリズムで早い深呼吸を繰り返す人(きっと主治医の前ではいつもそうだったのでしょう)、いつ呼吸したのか分からないような小さな深呼吸の人(若い女性に多い?)、あまりにもゆっくりすぎていつまで待っても息をはいてくれない人(若い男の人に多い?)、あまりにも強くはき出すので返って音が聴き取れない人(中年の真面目そうな男性に多い?)、などなど。よく考えたら、「大きく」とか「しっかり」とかいう言葉に対するイメージは十人十色です。自分の尺度で考えた「大きく」や「しっかり」が、各々違っていて当たり前なのかもしれません。

医者が聴き取りたいのは、呼吸の音に左右差がないかとバリバリとかゴロゴロとかヒューヒューとかいう雑音が入らないかくらいです(と思うけど)。慢性気管支炎や間質性肺炎の雑音を確認するためにははいてしまった最後の頃の音を聴くことになります。ですから、わたしのような呼吸器疾患素人医者は、実ははき出した最後の音だけしか聴いていません。申し訳ない。

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