初めての・・・
仕事柄よくホテルを利用します。水洗トイレはいつの間にかほとんどがウオッシュレットの系統になり、痔の気があるわたしには大変助かります。先日、学会で大阪に二泊したときに、小さい洋式トイレに座りながらふと昔のことを思いました。
初めて水洗トイレを経験したのは、父の勤める小学校の和式トイレでした。日曜の職員室に父に付いていったとき、急に便意を催しました。職員室のトイレが最新の「水洗トイレ」というのになったばかりだというので、その使い方を父が直々に教えてくれました。トイレットペーパーを広げた形で長くとり、それを2,3重に折り曲げながら水の中に落としていきます。便器の中に薄く敷き詰める感じです。練習のために自分でやってみましたが、歪みや皺ができてきれいに敷き詰められませんでした。でも、父がするときちんとムラなく敷き詰めることができました。準備ができたらその上に排便し、最後に流します。ペーパーが敷き詰められているので、便はきれいに流れ去っていきました。
大人になるまで、水洗トイレはトイレットペーパーを敷いてからしないといけないと思い込んでいました。しかもきちんとムラなく敷けないと反則なんだと。洋式トイレが主流になった現在はあまり実用性がないのですが、今思うと、そうやって便器をきれいに大事に使う躾をされたのかもしれません。あるいは父に教えた人がきれい好きだったのかもしれません。人生において、いろんなことに対して必ず「初めて」があります。どんな形でその初めてを経験するか。最初に教わった所作は、普通そのまま自分のやり方になり、人に伝えて習慣となっていくものです。人に云って、ペーパーは敷かなくても良いことを知り、その方法を止めましたが、本当はそのまま続けた方が良かった習慣なのかもしれないなと思ったりします。
お盆に便の話で恐縮ですが、ちょっと思い出したので書いてみました。
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