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砂山

「目の前に小さな砂山があります。てっぺんには旗が1本立っています。この旗を倒さないようにしながら両手を使って出来る限りたくさんの砂を取り除いてください。」

生活習慣の変化を促すとき、わたしは良く砂山に例えます。こんな話をする相手のほとんどは、毎年同じ様な忠告を受けていながらそれができないまま1年を過ごしてきた人です。彼らはどこを触ったのかわからないくらいのわずかな砂を取り除いて「もうこれ以上は絶対無理です!ありえません!」という顔をします。私たちは、その数倍以上の砂を両手でごっそり削り落としてもそう簡単に旗は倒れない、ということを体感してほしいのです。

「ほとんど食べずに頑張っているのに体重が減らないのは何故でしょう?」と云っていた男性職員がいました。彼はある日急性膵炎にかかりました。絶食を余儀なくされしばらく入院治療を受けることになりました。仕事復帰したときには明らかにスリムな身体になっていましたが、そんな彼が「自分がもの凄く食べていたんだということを初めて実感しました」と語ってくれました。大病を患ったのは不幸でしたが砂山削りの感覚を体感できたのはラッキーでした。

わたしたちの施設で生活習慣病改善のためのプログラムに入会する人の中にも「食事を変えるのは無理です」と言い切る人は少なくありません。運動でなんとかするために入会するのだ、と主張します。そんな人たちもいつの間にか食事を削ることを覚えます。一度経験さえしてしまえば、それが大したことではないことを体験できれば、間違いなく何かが変わります。そのために、一度でいいので砂山の砂をごっそり削り落としてみてほしいといつも思います。削り過ぎて旗が倒れたら、そのときにはすぐやり直せばいいんですから。

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