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優先順位

ある講演の依頼を受けて、週末の休みを返上して徹夜で準備をし、やっとできあがったと安堵していたら、直前になって「他の重要要件が優先になって講演会は中止になりました」と連絡がありました。それも人づてに。「先生には直接お詫びの連絡をします」と云ったそうですが未だに梨の礫です。先日は、職場の保健師さんから「ある要件の検討会議をしたいので出席してください」と依頼されました。予定の時刻に連絡をしたら、前の会議が長引いているのでちょっと待ってくれとの返事。そのためにじっと連絡を待つこと2時間半。結局何の連絡もないので帰宅しました。翌日以降になっても何も云いに来ないところを見ると、もう忘れているのかもしれません。

わたしの様な暇人とは違って、世間の皆さんはとても忙しく働いています。当然いくつもの要件を抱え、常にその優先順位は変動します。でも、その人たちの優先順位とわたしの優先順位が別にイコールなはずはありません。その人たちにとっては「やむを得ない事情」でも依頼を受けたわたしにはまったく関係のない話ですし、その約束がきちんと破棄される時点までわたしにとっての優先順位は一番めのままですので、他のやっておきたい仕事を先に廻すという選択を取ることすらできません。自分の優先順が後回しになった時点で、依頼主は依頼先(それがどんなヒラ人間であっても)に万難を排して大急ぎで変更を伝える、これは社会の最低限のルールのように思います。

「人の振り見て我が振り直せ」・・・そんな仕打ちにカッカして持病の高血圧が悪化しまいか心配する前に、わたし自身も、はたして自分は大丈夫なのか、自分の日々を反省しておかなければなりますまい。誰も、やりたくてそうしているのではないでしょうから。

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