知らなすぎる現実
徳島県は連続15年間「糖尿病死亡率全国ワースト1位である」という事実を、さて徳島県民はどの程度知っているのでしょうか。実はこの状態を打破するために、数年前から、糖尿病「緊急事態宣言」とやらを県知事まで巻き込んで全県的に繰り広げて啓発活動をしているのだそうです(日本人間ドック学会教育講演3)。でも、結局ほとんど改善していません。おそらくこれからもさほど画期的な改善など望めないでしょう。それは、一般県民のほとんどが「自分の問題」とは思っていないからでしょう。
「糖代謝異常の危険性」については前にも書きました。日本全体が加速度をつけて危険な状態になっていることは、ここ1,2年間、マスコミも含めて日本中で騒がれてきました。ですから、わたしは「知っているけれどできない」のだと思っていました。でもそれが間違っていたことを知りました。一般の方々の多くは基本的には「何も知らない!」。今年4月から始まった「特定健診・特定保健指導」も然りです。おそらく日本にはまだ存在すら知らない人たちだらけでしょう。どんなシステムの変化でもそうですが、そこに字面が並んでいるものを見ていても、結局見えていなければ同じことです。「目は節穴」です。目で見ていたら必ず脳に届くものだと思い込んでいるのは、医療従事者や役人さんだけです。たとえ一歩譲って、その字面の内容を理解している人がいるとして、おそらく大した差はありません。なぜならば、きっとそれを自分のことだとは思っていないからです。
「知っているのにできない」「わかっているのにできない」ということばを本当の意味で使える人は、芯からしっかりと理解できている一握りの人間でしかないということがわかりました。わたしたちは今までの何十倍もしつこく啓発活動をしないといけないのだということも自覚しました。
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