健康マイレージ
せっかく遠くに行ったので、人間ドック学会の残りの話題をいくつか書いておきましょう。
「医療経済学から見た生活習慣病対策」と題した楽しい講演をしていただいた川渕孝一教授(東京医科歯科大)の話の中で、とても気に入った考え方が「健康マイレージ」です。
生活習慣病を克服するために、どうしても避けて通れないのが「行動変容」。乱れた食事を見直し、ゴロゴロせずに運動するように心がけないと病気になる可能性が高くなるわけですが、そんなことは誰もがみんな知っています。健康日本21も特定健診・特定保健指導もそれを求めています。でもできない。それをできるようにするためにアプローチするのが私たちの仕事なわけですが、たぶん一番有効な方法は、私たちのスキルや熱意ではありません。努力したことに対して何らかの報酬を与えることです。データが目標値を超えたら20ポイント、一日5000歩歩くごとに1ポイント、腹囲が1cm縮んだら1ポイント、禁煙できたら50ポイント。そんなポイントを貯めていきながら、何ポイント貯まったら次の健診料金を割引してもらえるとか、税金を割引してもらえるとか、提携温泉やフィットネスジムの使用割引券をもらえる、などの権利を得られるようにするわけです。
人間、道徳だけでは動けません。脅しだけでも動けません。やはりご褒美に勝るものはありません。このマイレージ全盛時代ですから、国や健診機関は、きれいごとばかり云ってないで、もっと健康マイレージ制度の導入を積極的に考えて欲しい。そういう話でした。
大賛成です。
| 固定リンク
« 選択 | トップページ | わたしの勝手でしょ! »
「心と体」カテゴリの記事
- イヌを飼うと元気で長生きになる理由(2024.09.13)
- 柔軟性と寿命(2024.09.06)
コメント