わたしの勝手でしょ!
健診結果を見ると、悪化した病気状態をそのまま放置している人はたくさんいます。
「こういうのを『生活習慣病放置病』といいまして、すべて医療従事者の責任です。あなた方がきちんと指導しないから、この人たちはもっと悪くなって、にっちもさっちもいかなくなってからやっと私たちのような専門病院にやってくるのです。」
順天堂大学の河盛先生が何年も前からそう私たちに苦言を呈していました。でも、わたしたちには基本的にはこんな人たちを病院に行くように強制する権利がありません。上司からの業務命令なら行くしかないのでしょうが、「行くか行かないか、そんなの私の勝手でしょ?」そういわれたら、もうわたしたちには何もいえません。
でも、本当は「わたしの勝手」じゃないのです。今、病院に行かないのは勝手だけど、それが悪化したときに高度医療を受けるのなら、それは単なる身勝手な話。わたしたち堅気の人間が払った保険料で、そんな身勝手な人の治療費を払ってることになります。そういう人に限って「オレは保険料をずっと払ってるんだから、もらう権利があるんだ!」って云うんです。バカ云ってんじゃねえよ!て思うでしょ?
そんな不公平感の解決策として、いわゆる骨太の方針としての医療制度改革が始まりました。昔のように感染症で死ぬ時代は、みんなで助け合わないと自分も危険だから、だから共同体として戦うために健康保険がありました。今は生活習慣病が原因で死ぬのだから、自己責任の問題。なのに真面目な人が不真面目な人の治療費を払うのはおかしい!ってなったわけです。どうぞご承知おきください。基本的には、治療を受けないと決めた方は、人生を全うする最後の最後までその固い意志を貫いてほしいと切に願います。
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