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医療常識

わたしが循環器救急の世界から希望して健診の世界に移ってきた平成13年ころ、「成人病」が「生活習慣病」という概念に変わろうとしていました。わたしはこれの意味を説明するのに時間を要しました。でも今では「生活習慣病」は世間の常識です。むしろ「成人病」ということば自体が一気に消えてしまいました。

日々健康の伝道者としての仕事を続けていると、新しい情報は自然に入ってきます。テレビでも雑誌でもたくさん発信していることを実感します。わたし自身あちこちで啓発講演をしてきました。そうしているうちに、わたしの中に誤解が生じて来ている事に最近気付きました。わたしの知っていることくらいは、もはや常識なんだと思い込んでいるのです。みんなが知っている常識を偉そうに得意げに話すのはわたしにはどうもできません。だから常識と思える内容を講演スライドから除けていきます。昔は、こんなことをまことしやかに話してたんだ、恥ずかしいなあ、とか思いながら。

「健康寿命」ということばを知っていますか?始めた当時はこれこそが人生一番大切なことだと思い、あちこちの講演で使っていました。「平均寿命」と「健康寿命」には約6,7年のギャップがあります。この6,7年が寝たきりの期間なのです。こんなことは今や世間の常識だと思っていました。でも、つい先日「こないだテレビでいい事云ってたのよ。『健康寿命』って知ってる?」と妻に云われました。「そんなことも知らなかったの?」わたしは思わず聞き返してしまいました。「初めて聞くわよ。自分が知ってるからって、みんなが知ってると思ったら大間違いよ!」しこたま説教されました。翌日、こっそりとわたしの講演スライドライブラリーの中に「健康寿命」のスライドを戻しておきました。

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