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ダイエットは寿命を縮める

本当に肥満はからだに悪いのか?

メタボ列島、メタボ惑星と化した現在、何を今さら?と云われそうですが、実は、世には「ダイエットをした方が寿命が短い」というデータは山ほどあります。昭和女子大学の高田明和先生の特集文章「過激なダイエットはエイジングを促進するか」(アンチエイジング医学37-41,2007)に並べられたデータをみて、正直なところ大変ショックを受けました。

NHANESというアメリカのスタディでは、やせている人は高度肥満の人と同じくらい死亡率が高く、特に60歳以上では太っていてもなんら死亡率は増加しませんでした。また、体重と死亡率についての40個の論文をまとめた研究(Lancet 368,2006)では、正常体重の人の死亡率を1としたときによっぽど高度の肥満になるまで死亡率は1に満たないのですが、やせの死亡率は1.3くらいになります。簡単にいえば、「ダイエットでやせている人は病気になりやすく死亡率が高い」という結論に達します。「もともとが太っていてもやせていても、15%以上体重を減らした人はほとんど減らなかった人の2~3倍死亡率が高い(Am J Epidermol 136, 1992)」「ダイエットで体重を減らせても減らせなくても、結局ダイエットを試みた人は何もしなかった人より死亡の危険性が高く、ダイエットすること自体が健康に良くない(Ann Intern Med 119. 1993)」・・・これらの論文が10年以上前に報告されています。

世間で、「やせろやせろ」と騒いでいる最中にそんなこと云われても、ねえ。もっとも、これらの論文の大きなミソは、「ダイエット」=「食事制限」だということのようです。運動や日頃こまめに動く人、ダイエットでリバウンドを繰り返さない人などは結局健康度も寿命もアップさせている。だから、体重の大小ではなく動くことが老化防止には大事なのだと云いたいようでした。もともと運動欲のない人間。動きすぎると活性酸素ばかり増えてくる現実。どっちにしても一筋縄ではいきませんが、「やせればいいってもんじゃない!」このことは事実のようです。

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