ちかめの歴史
小学校のころ、健康優良児として表彰されたことのある私の目は両眼とも良く見えるのが自慢でした。
試験を受けて入学した中学時代、ある理由で眠れない日が続きました。ベッドの中で悶々とする姿を見るに見かねた母が本を読むことを勧めてくれました。本好きの姉が揃えていた文学全集などの中から選んで、毎晩布団の中で読み耽りました。
横向きに寝たまま本を読んだおかげで目は簡単に悪くなりました。しかも厄介なことに左目だけが悪くなりました。子どものころ、ブーメラン遊びをしていて友人の投げたブーメランが刺さったのが関係しているのではないかと親は云いましたが、あれは右目です。授業中だけメガネをしましたが、片目なのであまり良くみえません。視力の違う2つの目をどちらも同じようにみえるように矯正すると、網膜に映し出された画像の大きさに左右差が出ます。それを頭の中であたかも同じ大きさが映っているように自動で修正しなければならないので凄く疲れることになります。だから、視力の左右差が大きい場合、悪いほうは半ばアバウトな矯正で誤魔化すしかありません。これが固定レンズであるメガネの宿命です。そうやって作ったメガネをわたしは左右逆さまにして使用していました。見えない方はより見えなくなりますが、見える方はウソのように良く見えるようになります。結局そうやって片目状態をさらに進ませることになりました。
舞台ではメガネをかけられないから、いつも相手がアバウトにしか見えないから、という理由で、大学3年か4年のときにコンタクトレンズにしました。そんな左右差のある目にはコンタクトレンズが一番だ、ということはそのときに眼科の先生が教えてくれました。ウソのように左右とも良く見えました。・・・みなさん、目は大事にしましょう。
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