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こころざし

先日、初めて行ったあるスナックで帰り支度をしていると、マスターがわざわざ色紙に字を書いてくれました。

色々書いた後、最後に「お節介ながら」と前置きして「こころざし」という漢字を書いてくれました。普通は、武士の「士」に「心」で「志」ですが、わざと「土」に「心」と書いて「こころざし」。その違いを、わたしはわたしなりに理解していました(何かの本で読んだことがあった?)。が、「『志』は武士が出世するために人と競い合い、上へ上るために人を押しのけていくこと」・・・彼がそう話し始めた途端、なぜだか涙がボロボロと溢れ出てきました。「もっと自然に任せて地に足を付け、心のつながりを大事にする『土』という字の『こころざし』の方がいいんじゃないかなと思って、この字にしてみました。」そう続けることばはほとんど聞こえていませんでした(だからちょっと意味を間違えて書いているかもしれません)。

彼にしてみれば、いつも書いている字かもしれません。でも、そのことばの最初の段階でわたしの心と体が瞬時に反応したということは、今の自分に一番必要なことばだったのだろう。わたしは素直にそう思いました。

人との出会いもご縁なら、ことばとの出会いもご縁。そんなことを確認した深夜の都町でした。

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