叩くと埋める:凸と凹の医療
人間を「人間」として捉えようとするとき、東洋医学の考え方を避けて通れません。東洋医学や代替医療の世界を知れば知るほど、西洋医学と東洋医学は全く逆の発想だということに気付きます。
わたしは、西洋医学は「叩く医学」で東洋医学は「埋める医学」、あるいは西洋医学でいう病気が凸で東洋医学でいう病気が凹だと思っています。余分にでできてしまったものを取り除く(手術)とか侵入物(菌やウイルス)を薬で叩くというように、本来ないものが内外から出てきたために「戦う」相手が病気だというのが西洋医学の考え方です。でも東洋医学では、病気は身体の中の一番弱いところ(周りに比べて凹んでいるところ)に潜んでいるものだから、その部分を補いながら身体全体を健康状態に戻していこうという考え方です。
対象臓器がはっきりしている西洋医学と違って、東洋医学はひとつの臓器を相手にしているのではなく、身体全体の滞りを本来の姿に戻すことを目的にしています。選ぶ薬にしても、病名に対する薬がはっきりしている西洋医学に比べて、東洋医学は飲む人の体質によって全く違う薬になったりします。
どれがいいとか悪いとかいう問題ではありません(両者のいいところを駆使できる医者が理想でしょう)が、今のわたしはやっぱり東洋医学的な考え方の方が好きです。日常茶飯事のようにやってくる「侵入者」と戦うという考え方よりも、どんな侵入者が来ても自分は自分の姿を整備する、という考え方の方が、自然だし無理がないように思います。その代わり、「風邪を引いたら風邪薬を飲めばいい」という単純な対応ではありませんから、日頃から自分の身体を見つめている必要があります。
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