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ため息と腹痛

先日、ご高齢の女性が息子さんに連れられて人間ドックを受けに来ました。下腹痛が突然おきて、病院でいろいろ調べるけれど異常がないのだといいます。それでも腹痛発作がなくならず、数日前には急に手が震えだして行きつけの医院で点滴を受けたりしたので、もう一度全身を調べてもらおうと思って連れてきたそうです。

もちろん、検査結果には特段の異常はありませんでした。商売をしている息子さんが、「いつも週末に起きるんです。週末は家族全員が忙しくてかまってやれないから、寂しがってこんなこと云うんじゃないかと思うんですよね。主治医も一度精神科に行ってみたら?などというし精神的なモンなんでしょうか?」と本人を前にして聞きました。ちょっとドキッとしましたが、本人も「家に誰もいないと寂しくなるんです」と胸の内を打ち明けます。

わたしはできるだけことばを選んで説明しました。「これだけ検査して異常がないから、痛みの原因が潰瘍や結石や婦人科の病気などではないと思うけれど、気のせいでもないと思います。実際に耐えられないように痛いのですし、腸の動きを抑える薬で良くなっていますから。きっと腸が動きすぎる(けいれんのような)ために痛いのだと思いますが、はっきりしたことはわかりません。ただ、もしかしたらそれを悪化させているのは「ため息」かもしれません。今拝見していてもため息を無意識についておられます。一人で寂しいときはもっとたくさんため息をついていませんか?手がしびれだしたのは過換気症候群という病気で、ため息のし過ぎで悪化してしまったのだと思います。『ため息をつくと幸せが逃げる』とも云われています。心療内科の先生の助けを借りるのもいいですが、とにかく意識してため息をしないように心掛けてみてはどうでしょう。」「・・・ため息ですか、ハァ。」「ほらほら、それです。」「あ、ホントだ。よくため息をつきますねえ」・・・やっと少しだけ彼女は笑ってくれました。

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