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やっかいな時代

生活改善の取り組みに参加したみなさんに対して送った文章の転載(一部訂正)です。今でも、ときどき講演の手元資料として配っています。

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やっかいな時代になってしまいました

人類は、食べることがままならない飢餓の歴史の中を生き延びてきました。ですから、食べなくても生きていけるように、少ないエネルギーを上手く使って身体を動かせる仕組みを遺伝子の中に準備しています。ところが、せっかく準備万端で生まれ出てきたのに、今の世の中は想定外の異常な豊かさです。食うのに困るなんてほとんどありません。安くておいしい高カロリー高脂肪の魅惑の誘いがあふれていますし、ほとんど身体を動かす必要もありません。

何とかやりくりして、いざという時のエネルギーを蓄える準備をしていた脂肪細胞は、融通の利かない真面目すぎる性質ですので、「いざ」がないとすぐに満杯になり機能できなくなりました。身体は「もういらない」といっているのに、頭は「まだまだ」と主張して、エネルギーを集められるだけ集めます。空腹感に対して妙に不安を感じることはありませんか?空腹で倒れたことなんか一度もないのにそんな気持ちになるのは、組み込まれた先祖の記憶遺伝子の仕業です。結局、脂肪細胞は自らの細胞の大きさを風船のように膨らませるしか手がなくなりました。本来、脂肪細胞からは動脈硬化を予防して糖尿病や高血圧にならないように調節する善玉ホルモンがたくさん準備されていました。最近の若い女性は脂肪を目の敵にしますが、脂肪細胞はなくてはならないものです。実際、脂肪細胞がないと動脈硬化が進むことも実験でわかっています。ところが、ここまで想定以上に大きくなるとそんな大事なホルモンがみるみる出なくなります。そのために若くして動脈硬化が進み、血圧が上がり、血糖値が高くなり、血液中に脂肪が溢れ、前ぶれもなく突然に脳卒中や心筋梗塞で倒れる危険性にさらされる羽目になりました。これがメタボリックシンドロームです。ついこの間まで、日本人も欧米人並みの身体になり、足が長くなったと喜んでいましたのに。

大きなお腹をさすりながらため息をついている皆さん。このままではせっかく大事に蓄えたエネルギーが倉庫の隅からどんどん腐っていきます。この機会に、溜まってしまったものの在庫整理をしてください。少しでも整理すると、それだけでまた脂肪細胞が本来持っていた機能を思い出してくれます。大きくなりすぎた細胞はちょっとその気になればすぐに本来の姿に戻ることが出来るのです。今が勝負です。頑張ってください。

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