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医者の目線

患者さんと同じ目線になることが良い医療人になる基本だと云われています。その点では、わたしは割と自然にそれができていたと思います。病室では時間がある限りパイプ椅子を引っ張ってきて座るようにしていましたし、患者さんがベッドに寝ているときには自ずと横にしゃがみこむ格好になります。わたしはプロフェッショナルになりきれなかった医者ですので、医者のあるべき姿を意識してそうしたのではありません。脈を取ったり診察したりすると座って近付かざるを得ませんし、ボソボソ声のために相手に聞き取ってもらうには耳元でしゃべるしかなかったのです。

救急外来や病棟で、患者さんと一緒にベッドに並んで座って話をすることが何度かありました。紙に書いて説明したり文書を一緒に読んだりするとき、向かい合いではできないので自然と隣りに寄り添う形になってしまいます。「ベッドは患者さんのものですから、医療従事者が患者さんのベッドに座るようなことは言語道断です」という注意が全体にアナウンスされたことがありますが、もしかしてあれはわたしに対する注意だったのかしら(今頃気付いてもしょうがないけれど)。愛する家族や好きな人との距離は何も考えなくても自ずと近くなるものです。医療スキルとして考えるのではなく、目の前の患者さんが身内だと思えばどうってことはありません。

ただし、健診の場ではそれは通用しません。健診ではわれわれの目線は受診者よりさらに下になくてはならないからです。医療経験豊富なベテラン医師や師長経験者が健診には向いていると思われがちですが、かえってそんな人たちはこの目線感覚のズレに戸惑ってしまいます。健診業務を医療の片手間でできる、と思っている人には到底理解できないことかもしれませんね。

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