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思い入れの差~メタボ基準論争

「日本基準よりNCEP(米国コレステロール教育プログラム)基準の方がCVD(心血管疾患)予測能に優れる(吹田研究の最新成果)」<MT Pro2008.12.24>

簡単にいえば、日本のメタボ基準の必須条件にある「腹囲」は、心血管疾患の予測因子としてはナンセンスであり、外国の基準に従った方が意義が高いと云っています。この手の批判は日本基準が発表された2005年からずっとあります。とても良くわかるしその通りだと思いますが、一方でメタボ基準を作った先生方の「ちがうんだよなぁ~」というため息混じりの歯軋りもまた手に取るようにわかります。

彼らが腹囲にこだわる理由ははっきりしています。腹部肥満=内臓脂肪蓄積型肥満だけをターゲットにしたいのです。アメリカの基準では太っていない単なる病気重積型の人たちが含まれます。危険因子を持っている人全部を拾い上げているのだから、心血管疾患の予測能として優れているというのは至極当たり前です。それを承知の上で日本基準に腹囲が入っているのは、内臓脂肪蓄積型の人とそうでない人を区別したいからに他なりません。内臓脂肪蓄積型の人は内臓脂肪を減らせば、つまりやせれば良くなる可能性がある。それもちょっと頑張るだけで良くなるかもしれない。だから、そんな人は今こそ頑張って損はないよ!と。単に病気の危険因子を効率よく見つけだすことに主眼をおいているわけではないのです。

その思い入れの差が妙に曖昧な基準になって、どうも世の学者さんや医者に受け入れられないようすです。金銭と利害関係が絡む国の健診事業に直接絡ませてしまったのは失敗だったかもしれません。それでも動き出したメタボ健診。現場は批判ばかりしないで、修理して乗りながら徐々に完成品に作り上げていく外車のように、知恵を出し合って使えるモノに作り上げていったらいいのに、と思います。

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