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親孝行

わたしが7年前まで勤務していた循環器内科の副部長が年内で退職されることになり、先日送別会がありました。研修医として今の病院に勤務し始めたときのわたしのオーベン(指導医)でした。若い頃から、気に入らないと上司でも平気で文句を云っていたわたしのことを、きっと鬱陶しく思っていただろうなあと、今になって反省しています。

定年でもない彼が退職して生まれ故郷に帰る決心をしたのは9月だったそうです。そして同じ専門領域の業務をしているわたしに一早く決心を教えてくれたのが10月の千葉での学会のときでした。彼のお母さんは2年前に亡くなりました。ひとり残されたお父さんはその後も田舎で自営の仕事を続けておられましたが、今年になって原因不明の体調不良に何度か見舞われ、「疲れた」と初めて弱音を吐くお父さんの姿をみたとき、「今親孝行しないと一生後悔する」と思ったのだそうです。

お父さんを熊本に呼ぶことは最初から考えませんでした。彼がこれまで造り上げてきた生活を壊してしまっては意味がないと考えたからです。そんな思いを千葉で聞きながら、わたしはやはりわたしの父のことを考えてしまいました。父は大分の地でひとりの生活を20年続けていました。彼は、いい頃合にわたしが実家近くでクリニックを開業し、自分と一緒に暮らすものだと思っていたのでしょう。酒が飲めるようになった息子とゆっくり飲み明かすのが夢だったに違いありません。でもわたしはその選択をしませんでした。彼の術中に嵌るのがイヤで、自分から避けてきました。

どうだろう。今父が生きていたら、彼と本音で酒を酌み交わせるだろうか?昔は反発ばかりしていてゴメンな!と云えるだろうか?・・・元上司の生き様に感服しながら、一方でそんなことを考えていました。

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