歴史を変える人
ノーベル賞の授賞式が、スウェーデンのストックホルムでありました。
「アイ キャン スピーク ジャパニーズ オンリー!」・・・そう云って、すべてを日本語で記念講演した益川教授(京大)は大きな話題になりました。ノーベル賞授賞式始まって以来の出来事だというのです。彼の発表は研究内容の説明だけにとどまらず、子どものころに理科に興味を持つきっかけになった父親のことにまで及んだと聞きます。既成に捉われず破天荒でありながらきわめて愚直な生き方をしてきた益川さんの、暖かい人柄が感じられます。
そして、わたしがさらに感動したのは、記念講演の翌日に行われた授賞式の光景です。ノーベル賞委員会委員は、その選考理由をあえて日本語で語ったのです。これもまた、ノーベル賞始まって以来の出来事だそうです。益川教授の行動はそれなりにわたしの想定内の出来事でしたが、そんな日本の研究者に最大の敬意を表する方法を柔軟に考え、いとも簡単に歴史を変えてしまった選考委員のウイットと行動力には敬服しました。凄いことだと思います。たとえば、うちの職場の組織でこれをしようと思ったらどうか?現場で具体的な提案をし、それを直属の上司を通して組織のトップに打診され、細かに手直しをさせられた上で、病院の管理会議にかけられ、そこで許可がおりたら初めて日の目を見ます。授賞式なんてもうとっくに終わってしまって、「今回は間に合わなかったけど次回からは是非」と、こうなるのは目に見えています。
ユニークな発想と地道な努力が評価される「ノーベル賞」の世界が、想像以上に奥深いことを思い知らされます。実にかっこいい!
それにしても、下村名誉教授とジェンキンスさんの区別がどうしてもつきません。
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