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歩き始めの警告

ある男性が健康のためにウオーキングを始めました。歩き始めて数分すると必ずといっていいほど胸の妙な違和感が出てきます。でもあまり強くないのでそのまま歩いていると、そのうち症状は消えてしまいました。そして、その後は全くどうもありませんので、止めることなく毎日散歩を続けています。

こんなことを経験したことはありませんか?先週、健診を受けにきたある男性がそんな訴えをしました。すぐさま、わたしのアタマに若いころに受け持ったある患者さんのことが浮かびました。彼もほとんど同じような訴えで外来を受診し、精密検査をするために入院してきたのです。症状は大したことはなかったのに、精密検査の結果かなり重症の狭心症がみつかり、心臓のバイパス手術を受けることになりました。

心臓の筋肉を栄養する血管(冠動脈)が完全に詰まってしまうと普通は心筋梗塞になってしまい、突然死することもあります。ところが少しずつ狭くなっていくと、完全に詰まるまでの間に他の血管から助け舟の栄養血管が生まれて発達してきます。側副血行といいます。完全に詰まってもすぐさま側副血行を経て血液が送られてきて、心筋梗塞を起さずにすむことになります。ただ、側副血行は、幹線道路が土砂崩れのときに隣りの村から山越えして食料を運ぶようなものですので、運動などを始めたときにはきちんと栄養が送られるまでにちょっと時間がかかるのです。

これこそ「本当は怖い家庭の医学」・・・みんながみんなそうではありませんが、こんな症状に覚えのある人は、放っておかずに検査を受けることをお勧めします。

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