「ニンジンから宇宙へ」
これもわたしが「変わり者の医者」になるきっかけになった本です。7年ほど前に友人から薦められて読みましたが、生きとし生けるものの生命力の大切さと深刻さを痛感した記憶があります。久しぶりに書棚から出して読んでみたくなりました。
書いたのは大分県野津町の「なずな園」というところで農業を営んでいる赤峰勝人さんです。生きるべきものが「生きていない」ことを嘆いています。「今の地球で、いちばん壊れているもの。いちばん、修復しなければならないもの。それは、循環です。」「循環しているのは何でしょうか。そう、「命」です。命のエネルギーが循環しているのです。」「この宇宙の中で、循環していないものはすべて間違っている。」・・・皆さんは、これを読んで何を云っているのかわかりますか?・・・こんなことはわたしたちが医学教育を受けた昔、自然界では当たり前の常識だった気がします。「食物連鎖」ということばを知らない若者が思いの外多いのに愕然とします。わたしが学生のころ、自然界はこの食物連鎖があるから成立しているのであり、どこで切れても生物のバランスは必ず壊れる、と教わりました。これこそ「循環」の最たるものでしょう。
でも今、循環などしていません。不衛生だからという理由で水洗トイレにした時点から連鎖はありません。自然の浄化力も消失しました。だから食べ物は生きていません。主成分を元に「効率のよい食品」を工場で作るようになって、見た目が同じ様に見えても私たちが昔食べたことのあるものとは全く違うことを実感します。「塩」は塩化ナトリウムとイコールではありません。塩化ナトリウムと違って自然塩では高血圧にならないとまで云われます。雑草はムダな草ではありません。草は土の中からカルシウムを集める仕事をしています。人間のカラダも含めて、自然界にムダなものなど存在しないのだということをこの本で教わりました。
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コメント
はじめまして。大分県野津町に実家を持つHOWDYというものです。教員ですが、病院と関わりの深い特別支援学校で働いています。イーダさんからこちらのブログを教えていただき、いつも楽しく読ませていただいてます(^-^)
赤峰勝人さんは私の小学校時代の同級生のお父さんです。両親も赤峰さんとは親しく、父も赤峰さんに教えを乞いながら完全無農薬の野菜を小さな畑で作っています。母は「なずな」のスタッフとして働いています。
「ニンジンから宇宙へ」は、私も母に薦められて読みました。今は続編も出ていますので、機会がありましたら是非手にしてみてください(PR?)。
今、赤峰さんのもとに全国から「農業を学びたい」という若者が集まっています。「食」に対する不信感が募る中、安全なものを食べたい・作りたいという風潮が高まっていますし、なずな農法がこれからますます注目されると思います。
これからも、変わり者のお医者さんとしてますますご活躍ください。それではまた。
投稿: HOWDY | 2009年2月13日 (金) 09時16分
HOWDYさん
初めまして。コメントをありがとうございました。
ご縁ですね。赤峰さんは今も元気で頑張っているのですね。安心しました。熊本にも土を育む会があると聞いています。日本中・世界中で、少しずつ地道に変わっていくことを期待します。
コメントをいただけると書き続ける活力になります。またいつでもおいでください。
投稿: ジャイ0425 | 2009年2月13日 (金) 22時59分