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朝食(前編)

朝食はどうしても摂らなければいけないのか?

これは悩ましい問題です。ある町で小学生の父兄に生活習慣病についての話をするように依頼されました。そこは、町を上げて子どもたちに朝食を摂らせる運動を熱心に繰り広げている地区です。

「朝食を食べなければならないという義務感から自分を解放しよう」・・・健康のために朝食は摂らない!という生活を続けているわたしにとっては、「BOOCSダイエット」(朝日文庫)の藤野武彦先生のこの提案は簡単に理解できます。たしかに糖質を摂らないと脳にブドウ糖が行きませんから、脳の栄養失調をまねいて午前中ぼ~としている子どもたちが多い、というのも良くわかります。京都などで昔から食べられている「おめざ」はまさしくそんな一品でしょう。

でも、子どもたちが朝食を食べたがらない理由は、きっと食べたくないからだと思います。ダイエットのためというよりも、おいしくないからでしょう。なぜおいしくないのかというと、まだ頭も身体も起きてないからでしょう。そう考えると、栄養面の理由で朝食を摂るべきだと論ずる前に、頭と身体が朝食を摂る体勢になることが先決です。なぜ起きていないのか?答えはたぶん簡単です。きっと夜更かしするからです。「朝からしっかりご飯を食べる」というのは早寝早起きの習慣の下での常識です。昔、わたしが子どものころの夕食の時間は遅くても7時ころでした。子どもは9時にはテレビをやめて床につくものと教育されていました。毎晩、長い夜を寝疲れするほどに寝て過ごしたら、いやでも朝は腹が減って早くに目覚めます。それならきっと粗末な朝食でもおいしく食べられます。朝食を習慣化させたければ、まずは夜更かし習慣をどう解決させるかにかかるのだと思います。

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