日本語文法
「最低限の日本語文法の常識を持っているまともな人を担当にしてくれないなら、他の会社を探します!」
うちの施設で定期的に発行している広報誌の編集・製本を依頼していたS社の担当者が、渡した原稿の文章をめちゃくちゃに書き直してしまってわたしの逆鱗に触れました。文章の専門家ではないスタッフの文章はお世辞にも上手いとは云えないものでしたが、わたしが可能な限り「てにおは」の手直しをして提出しました。ところが、できあがったゲラを見て愕然としました。担当者があちこちいじり直した挙げ句に、わたしが手を入れる前の文章よりはるかに悪文に壊してしまっていたのです。いわゆる「フィーリング」で書いてあるその文章は日本語になっていませんでした。この人は日本語文法をまったく知らないのではないか?と思いました。省略されていようがいまいが、日本語の文章(とくに書き言葉)にはきちんとした文法があります。主語には述語があり、述語には必ず主語がある。もともと文法なんて気にしたこともない人は、そんな最低限の決め事の何たるかを分かっていないようでした。文章を扱う仕事に付いていながらこんな文章を許すS社自体がうさんくさい会社に見えました。
数年後に新しい会社に契約を変えたとき、またまたわたしのコラムをいじられました。必要もなくたくさんの段落に区切られていたのです。「読みやすいように行を変えてみました」と云わんばかりでした。文章内容の大きな区切りが「段落」です。まるでメールやブログの文章と同じような感覚で意味も考えずに気軽に行替えした、その感覚には呆れました。
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