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胸がキュンとする

恋をすると胸がキュンとします。この「キュン」は、医学的に何ですか?という質問を受けました。

これは、とても深くてむずかしいことだと思います。医学的に書けば、おそらく簡単なことです。身体中にはりめぐらされた自律神経の網の中で、興奮状態の時に優位になる交感神経が脳から刺激されてホルモンを大量に分泌させられたのです。ドパミンが脳に快感を与えるとともに、ノルアドレナリンが動悸と血圧上昇をもたらすのだと思われますし、皮膚が収縮してゾクゾクとなるのでしょう。ネットをチェックしていたら、このとき心臓の筋肉が瞬時に収縮するから「キュン」となるんだ、という説明文も見かけました。

わたしは循環器内科の医者でありながら(むしろそれだから)、「こころは心臓にある」という説が好きです。交感神経の反応を、脳は猜疑的(理性的)に対処しようとして、心臓は好意的(感性的)に同調するのだと解釈しています。同じ様な「好きだ」でも相手によって、あるいは同じ相手でも日によって「キュン」を感じたり感じなかったりしますし、自分の感じてきた「キュン」には、解説書に書かれているような「胸の痛みの感覚」とはちょっと違うモゾモゾ(ゾクゾク)感を伴っています。「好きだ!」という思い(興奮状態)に対して、脳はそれなりの生体反応で落ち着かせようとしますが、心臓がその制止を振り切って抑えきれなくなってしまうのではないかしら。それが「せつない」という感情。この感情を発しさせているのは脳かもしれないけれど、それを表現しているのはやはり心臓に違いないと思っています。

ま、そんな理屈は脳に任せておいて、こころはいつも素直に感じていきましょう。今日が、そんな胸キュンな日でありますように。

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