CR
先日、カロリー制限とアンチエイジングの関連についての報告の話題を書きました。「太っていない人がカロリー制限をしても無駄かむしろ危険かもしれない」というものです(「太ったマウス(2009.5.6)」)。
カロリー制限をすると寿命(健康寿命)が長くなり、若返り、カラダの機能低下が進みにくくなるという考え方が、カロリックリストリクション(Caloric Restriction:CR)です。動物実験はすでに70年前から始まっており、実践している人もたくさんいるようです。CRの目的はメタボ対策ではなくてあくまでも「不老(老化の遅延)」で、ガンを抑えたり、うつ病になりにくくなるなどの効果もあるのだとか。わたしが入会している日本抗加齢医学会の学会誌に取り上げられているのを発見し、上記の論文のことがあり、また数年前から朝絶食の食事習慣を続けているわたしとしては、今ちょっとマイブームです。ちなみに、24時間以上絶食+24時間自由食をくり返す「間歇的断食(IF)」というのがあって、すでに抗加齢効果が実証されているということは今回初めて知りました。たしかにプチ断食が如何にカラダに良いかをネット上で説いておられた麻酔科医が数年前におられました。彼もまたそれを実践していたようでした。周りは変人扱いしていたかもしれませんが、わたしはそれを読みながら割合簡単に納得できたことを覚えています。
「高齢者のカロリー制限が寿命を縮める」という意見が上記の論文には書かれていましたが、一方で「CRは高齢者の記憶力を改善させる」というドイツの研究結果が論文として発表されました(Proc Natl Acad Sci USA 106,2009)。
こういう賛否両論の意見がアカデミックに出てくる理論というのは、何か好きです。
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