ひと違い
先日、ある中年の女性が宿泊ドックを受診しました。検査の判読をしているときにたまたまその女性の名前をみつけました。私の知人である開業医の奥さんの名前です。数年前から毎年ご夫婦で受診してくれていました。「あれ、今日奥さんだけ受診するという連絡はなかったんだけど・・・」と思いながらも、住んでいる小さな町の名前も年齢からしてもまず間違いなさそうでした。
ふと目に入った検査情報をみて驚きました。大きな腫瘍がみつかっています。おそらく早々に手術が必要になりそうなものです。今まで何も異常はなかったのに・・・とても心配になりました。ですから担当の専門医に詳しい話を聞きに行きました。あまり良くない所見のようです。・・・何と説明してあげたらいいのだろうかと思案しながら、翌朝、結果説明のために彼女を診察室に呼びました。静かに入ってきた女性は、わたしが想像していた人とはまったく別人でした。同姓同名で、住んでいる町も同じでしたが、まったく違う人でした。「えっ?」と一瞬絶句しましたが、何食わぬ顔をして淡々と結果の説明を済ませました。
後日、話を聞きに行った担当ドクターにひと違いだったことを告げに行ったら、彼はすでに紹介状にドクターの奥さんだと書いて渡してしまったと云います。大慌てで病院に訂正の連絡をとったり・・・大変恐縮いたしました。今回は大事に至りませんでしたが、反省しきりです。わたしは、当人を確認することなく自分の知り合いだと思い込み、事を大きくしてしまいました。たとえすぐに訂正したとしても、誤った情報はこうやって誤りと誤解のままにまことしやかにあちこちに伝わって、とんでもないことになってしまうのでしょう。以後気をつけましょう。
でも、当事者には申し訳ありませんが、全くの別人でホッとしたのも事実です。
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