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『おかげさん』

木の芽が のびるのは やわらかい から    

                          みつを

我が家に、ベストセレクション『おかげさん』(相田みつを作品集 特別限定版)という名の日めくりカレンダーがあります。一日一枚の日めくりは、それぞれに彼の直筆の書が印刷されている31枚のみです。つまり毎月毎月初めに戻って繰り返すのです。だから、同じものを毎月見ています。特に毎朝それを繰りながら読み返すわけではありません。ただただ、カーテンをあけるついでに日課の作業として繰り返しています。日によっては何日も忘れられていることもあります。

先日、ひとりで弁当を食べていました。いつもは妻が座る席に座ってふと目を上げたとき、それは何となくわたしの目に入ってきました。

「木の芽がのびるのは やわらかいから」みつを

繰り忘れた何日か前のページでした。これまでに何度も読んだことのあることばでした。こういうことばは、それがどんなに深いものであっても完全に弾き飛ばしてこころに入ってこないことがあるかと思えば、何気なくすっと入り込むときもあります。あるいは何の抵抗もなく素通りしてしまうときも・・・。そのときは、どうしてこのことばがこころを捕らえたのでしょうか?

いいことばだなあと思って、しばらく箸を止めて眺めてしまいました。

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