より高い理想を求めて?
3ヶ月間の生活改善プログラムで採血データがまずまず改善したある男性がいます。内臓脂肪量が、基準値以下にはなっていないものの明らかに減少しました。採血データも若干正常より高いものが数個あるものの軒並み前より改善していました。ですので本人はそれなりに満足して喜びました。
でも、実際は、週に1回フィットネスジムに来るようになった以外は運動量は前と同じ。夜のアルコールも止められず食事も毎晩たっぷり摂っている、とのことです。週1回の運動ぐらいで採血データや検査データがここまで良くなるとは思えませんから、無意識のうちに前より活動量が増えていたり、前より料理のカサが少し少なくなったりしていることは容易に推測できます。なかなか良い感じなので、「今を維持させましょう」と云って励ましました。
ところが、担当保健師さんが満足しません。「まだガッツリ食べているんですよね。お酒ももう少し減らせるんじゃないかと思います。」と、さらなる生活改善のための介入に意欲的です。「せっかくがんばり始めたのだから後一息がんばらせたい!」という彼女たちの声を聞きながら、熱心だなあと感心しました。でも、そこまでしなくても今それなりの成果が得られているのです。なのに、「生活改善」の名目でもっともっと紳士淑女たれと責められる。そこまで模範的な生活に矯正させることが、そのヒトの人生に本当に必要なんだろうか?
この仕事をしているといつも突き当たる疑問なのです。
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