「いっぱいごめん いっぱいありがと」
認知症のお母さんをもつ友人の話を書きました(2009.8.8)。その友人が、先日「本屋で引き寄せられるようにして見つけた」という絵本を貸してくれました。
「いっぱいごめん いっぱいありがと」 (岡上多寿子 木耳社)
"認知症者の母とともに"という副題のついたA4横のその絵本は、この上ないやさしさに満ちていました。認知症になっていく母、母が母でなくなっていくことへのとまどい、母への感謝の気持ちと自身の懺悔と・・・75編の詩が自作の挿絵に添えられた数行の筆文字のかたちで書かれており、それが実の母娘のすがたを素直に表しています。わたしは母を若くして胃がんで亡くし、ひとり暮らしだった父も突然この世から居なくなりましたので、幸か不幸か晩年を一緒に過ごす親がおりません。それでも本屋で絵本を手にとって熱いものが溢れてきたというわたしの友人のことばがよくわかります。今、認知症の親御さんと過ごしながらこころとカラダを疲れさせ続けている多くの方々に、このやさしい文字と挿絵をながめながらひと休みしてもらいたいなと思いました。
・一緒にいたけど独りきりだったかもしれない 母さんの目が淋しそうだった
・本日私は 鬼と人との間でした
・見るでなく 前をながめつ ろうろうと歩く母のうしろから「何想う 何処へゆくのか」問いもせず あと一時間つきあおう
・晩年の母の生るを乱した私
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