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人間ドックの説明時間

日本人間ドック学会総会の翌日に人間ドック認定医研修会が東京でありました。

その中で、ある若い先生が質問に立ちました。彼曰く、

「わたしは数年前からある地方都市の病院で人間ドックに従事しています。人間ドックでは『受診者全員に、その日のうちに結果の説明をするのが原則』と云われていますが、それでいつも疑問に思っていることがあります。認定施設報告などを見ていると、受診者数が月に1000人とか何千人とかの施設ばかりですが、これを単純計算すると毎日50人以上来ることになります。人間ドックの結果を説明するには最低でも15分はかかります。わたしは午後からずっと話し続けていますがさすがに10人が限界です。毎日50人の人に結果の説明をする、というのは現実問題として可能なのでしょうか?」

それを聞きながら、わたしは彼にすごい魅力を感じました。そうです。「人間ドックの結果説明には最低でも15分はかかる」のです。「異常のない人は簡単に済ませることにしましょう」というときの「簡単に」の最低線が15分なのです。そこのところが分かっていない医者が多すぎはしないだろうか?と常々不満でしたから、彼のことばに力を得ました。

彼の云うとおり、1人の医者がずっと説明を続けても10人が限界。だから、50人が受診するなら5人以上の医者が必要。そういうことであり、質問を受けた日野原先生もそういう回答をされました。最初に受診者人数ありきだからおかしなことになるのであり、説明できる医者やスタッフの数からその施設で受け入れられる上限の受診者数を割り出すのが当然です。だからこそ、彼が切望するように、人間ドック学会認定施設の条件には、小さいけれどこんな熱意のある先生がいる施設も入れるように配慮してあげてほしいと思いました。

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