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久山町研究の衝撃

第50回日本人間ドック学会学術集会の特別講演で、九州大学の清原裕先生の久山町研究の最新情報を聞きました。

久山町研究のことは、以前「トリアス久山」(2008.1.24)で書きましたが、日本の生活習慣病の疫学的な根拠はほとんどすべてこれが元になっています。特に日本の高血圧治療と脳卒中の改善の歴史はまさしく久山町研究の果たした成果だと云われています。そんな中で、一番怖いのは今や「高血圧」ではなくて「糖代謝異常」、つまり糖尿病や境界型糖尿病、食後高血糖などだそうです。

高齢者の約40%が認知症になります。だから健康で元気に長生きしたら40%の人がボケることになります。で、そのボケる人の多くが糖代謝異常だといいます。高血圧も脳血管性認知症(脳動脈硬化による認知症)の原因になるのだけれど、それより糖代謝異常の方がはるかに多い。ということは、高血圧のわたしと糖尿病家系の妻がこれから二人揃って長生きしたとしたら、何と、先にボケるのはわたしではなくて妻の方かもしれないということになります。驚きです。そして、糖代謝異常はもうひとつ、がんの発生要因としても有意だということがわかりました。脳卒中も、実は高血圧に関連するラクナ梗塞(小さな血管の梗塞)は高血圧治療とともに減少しているのに、アテローム血栓性梗塞や心源性塞栓症はまったく減っていません。これは原因となる糖代謝異常やメタボが増えているからです。

今、日本人は高血圧症による血管病管理よりも代謝異常に対する管理の方がはるかに大切である、ということを教わりました。「病気でもないのに大げさに云い過ぎる!」と揶揄されるわたしにとってはとても大きな励ましに聞こえました。

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